お茶でコロナ無害化!?
『お茶で新型コロナ無害化?』の索引
茶葉から淹れた紅茶で、感染力のあるウィルスは一分間で100分の1
2020年11月27日付の産経新聞に、興味深い記事が載りました。
あくまで試験管内でのお話ですが、
「お茶とウィルスを混ぜ、経過時間ごとの感染力を持ったウィルスの量を検査した。もっとも効果が高かったのは、茶葉から淹れた紅茶で、感染力のあるウィルスは一分間で100分の1、10分間では千分の一以下まで減少した。」
とのことです。また追加してインフルエンザでカテキンの効果は確認されており、お茶を飲むことで同じような効果が期待される[2]、と結んでいます。
お茶と医療ネタは相性がよく、何かと話題が取り上げられます。効果を過大に言う事は禁物ですが、話題として今後も追いかけていきたいところです。
昔からお茶が健康に良いとは言いますが、どのような観点からのお話なのでしょうか。
ウイルス感染を防ぐ茶カテキン
もともと茶カテキンは、ウィルスの感染を防ぐ、と言われていました。
社団法人静岡県茶業会議所「知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ お茶の効用を科学する(最新版)の13ページに、「ひみつ その4 風邪を撃退 4-1 ウイルス感染を防ぐ」という項目があります。
知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ/社団法人静岡県茶業会議所
この解説によると、『茶カテキンは、スパイクタンパク質に直接作用して、その働きを抑えることでインフルエンザウイルスの感染を防』ぐとのことです。
スパイクたんぱく質とは、例の新型コロナでよく見る、キノコのような突起部分のことですよね。
これに直接作用して働きを抑えてくれる茶カテキン。直接抑えている場面を見たわけではないので、心もとないながらも頼もしいです。
お茶でうがいの効果と根拠
その後週間現代で後追いの記事が出ています。
「お茶でコロナが消える」奈良県立 医大論文の中身 / 週刊現代 2021.01.15
週刊現代という記事ソースには正直不安が残りますが、いいことが書かれてますね。
先の実験に詳細に触れた後、
試験官の中で起きていることを人の体内で再現するのは、至難の業だ。
と指摘しています。しかし、ウィルスを不活性化するカテキンの力を活かす方法が一つだけあるとのこと。それは、
お茶でうがいをすれば良いのだ。
「ウイルスは喉や口内の粘膜や鼻腔にくっつくのですが、すぐに細胞に入らず、付着したままになっていることがあります。 こ の状態のコロナなら、お茶でうがいすることでカテキンの力により不活性化できるかもしれません」(東邦大学医学部名誉教授の東丸貴信氏)
イソジンでのうがいは頻繁に使用していると、強力な殺菌作用により咽の粘膜が傷つき、結果的にむしろウィルスが体内に深憂しやすくなる恐れがあるともコメントしています。
お茶を飲んでうがいもして、殺菌しすぎないで咽をいたわりましょう。
保健機能食品として生体調整機能を持つお茶
先人達は、最初に茶の葉を噛んだり食べたりすると、眠気が取れて頭がすっきりしたり、だるさが消えたりすることに気付いたのでしょう。
この辺の事情は珈琲の発祥とよく似ていますね。経験的になんだかすっきりして、元気になるものを摂取していたのでしょう。
一般的に食材には三つの機能があるとされています。
一つ目はもちろん栄養機能ですね。身体を作りエネルギーを蓄えます。
二つ目は嗜好性。美味しさや、歯ごたえを味わうもの。そして、
三つ目が生体調整機能と呼ばれます。血圧を必要以上に上げないですとか、脂肪の吸収を抑えるなどといった生体を調整してくれるもの。
生体調整機能をもつものとして有名なのは赤ワインのレスベラトロールやトマトのリコピン。お茶の栄養成分[3]として特に注目すべきは「生体調整機能」を持つものです。
お茶の成分として有名なのはカテキンです。カテキンとはお茶の苦み成分の一つであり、活性物質の総称です。
カテキン・カフェイン・テアニンなどの[4]機能性成分は、他の食品にはあまり含まれないものであり、お茶は天然のサプリメントなのです。
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- 合わせて読みたい「お茶を美味しくいただくために」シリーズ
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- お茶の全体図:『ウーロン茶や紅茶との比較』『茶ではない茶』
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1. ウイルス不活化試験について
プラーク法については、日本食品分析センターのこちらの記事をご参照ください。
2. お茶による新型コロナウイルスの不活化効果について
―お茶の種類(製品)による相異―
奈良県・公立大学法人奈良県立医科大学
3. カテキンのいろは
「カテキン」とは、単一の化学物質名だけを表すのではなく、お茶の苦渋味成分の一つであり、人の健康にとって効用のある活性物質を総称するもの、と認識されています。
4. 【第1回】テアニンでほっとひといき | 太陽化学株式会社