不定期コラム「お茶の仕入れの話」その1

はじめに

株式会社茶問屋川村翠香園は、社名に茶問屋と名がつきます。そう、問屋業を営んでいます。

一般的に問屋の業務とは、商品を大量に仕入れて、その商品を小売業に卸す中間流通業者のことを言いますが、お茶の場合、お茶の元となる荒茶を仕入れ、その荒茶を“煎茶”に加工して、様々なお茶を取り扱う会社に販売をするといった、製造会社の側面が強いです。

お茶の分野では、なぜ製造業と問屋業が一緒になったのでしょうか。

  • お茶が採れる時期が限定されているため、お茶が採れる時期にまとめて買わざるを得なかったので、必然的に問屋業態にならざるを得なかった。
  • お茶は嗜好品のため、好みが十人十色であり、顧客の要望に応えるためには、仕入れて販売よりも、仕入れして加工して販売の方が顧客の要望に沿ったお茶が提供できるため。

不定期シリーズとして始まりました、こちらの記事では店主自ら、お茶問屋の全体像をお話いたします。

生産から消費者までのチャート

お茶は次のように、生産者から消費者までお茶が届けられます(二次流通が入ったり、直販があったりといろんなルートが有りますが、今回はわかりやすい流通経路で説明しています)。

担当者役割
農家(生産者)茶樹の栽培
肥培管理
生葉の摘採
生葉を荒茶に加工
問屋荒茶の仕入れ
仕上げ
火入れ
合組(ブレンド)
小分け
保管
流通
小売店商品仕入れ
ブランディング
販売
消費者美味しくお召し上がりください!

改めて各ポジションの役割をみてみると、お茶の味に最も影響するポジションは生産者です。

茶樹の育成、生葉を荒茶に加工した段階で味の品質(お茶、という宝石の原石ですね)は、ほぼ決まっているといえるでしょう。

この原石を磨き上げて“煎茶”にするのが問屋の仕事です。

投稿日: 2022年11月25日

関連する人気記事